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osaka travelを把握しよう

「機関投資家」は、企業の効率的な経営は求めるが、危険なプロジェクトには反対し、同時に社会的責任を求めるようになるから、コーポレート・ガバナンスの観点からみれば、企業にとってプラスの効果をもたらすことになる。
これが「もの言う株主」の本来的な意味である。 では、Mファンドはどうだったろうか。
普通、投資ファンドは「特定少数」から資金を集め、その多くは「高い利益」を狙っている。 そうでなければ、投資ファンドに出資する意味がないだろう。
しかも、出資者の名は「非公開」だから、社会的な批判を気にする必要はない。 つまり、同じく「ファンド」ではあっても、年金基金などの機関投資家とは条件がまったく正反対であり、投資ファンドは「もの言う株主」の条件を満たすわけがないのだ。
Mファンドは、二○○六年三月にシンガポールに拠点を移すまで、「MACアセットマネジメント」と「M&Aコンサルティング」を中核とし、国内にいくつもの投資事業組合を設立、さらにタックス・ヘイブン(税金回避地)であるケイマン諸島に投資会社や特別目的会社を設立して活動を展開してきた。 二○○一年一月末の運用資金総額は三十八億円。
それが、二○○六年三月末には四千四百四十四億円にまで膨れ上がっていた。 どれほどの利益を実現してきたかはさまざまな説があるが、たとえばF日銀総裁も出資していたことで知られる比較的堅実な「Aティビスト投資事業組合」ですら、業務執行組合員であるOに投資残高の一%(年率、以下同)、Mファンドに二%支払われることになっていた。
さらに、Mファンドは値上がり分の二○%を成功報酬として手にすることになっていたという。 普通、銀行の企業への貸出利子は一%台から二%、高くて三〜五%であり、企業向け融資を行なうノンバンクの利子が五〜一五%・年金基金の中では、例外的に運用利回りが高いとされるKルパースですら、平均で一三・五%(二○○四年)だった。

これほど巨大な規模のファンドを運用し、ここまで高い利益を求めるようになれば、投資先の企業が経営の非効率性を見直し、企業価値を高めるのを粘り強く待つのは難しくなる。 成功報酬だけから見るなら、Mファンドは二○%とか三○%は当たり前のハゲタカと呼ばれるような「買収ファンド」か、リスクを積極的に取りに出る「ヘッジファンド」のレベルを目指していたのだ。
これでは、とてもではないが「もの言う株主」にはなれない。 もちろん昨今は、本来的に「もの言う株主」である慎重な年金基金であっても、少しでも高い利回りを実現するために、直接に企業の株式を買うだけでなく、基金の一部を実績のある投資ファンドに預けることが多くなっている。
しかし、先に例としてあげたKは、この種の年金基金としては最大級の規模をもつが、投資基準はかなり厳格で、投資先であるファンドの手法に少しでも疑念があれば、投資対象にしないといわれる。 Mファンドも二○○二年に投資先として候補にあがったようだが、結局、外されている。
Mファンドが「もの言う株主」とは似ても似つかない性格を有していたのは、Mに同情的な報道が述べるように、途中から「変節」や「変質」をしたからではない。 ジャーナリストのMや「週刊T経済」Mファンド特別取材班が解明しているように、Mは最初からインサイダー取引ぎりぎりの手法を用いて、ひたすら利益を追求していたのだ。
Mファンドの中核のひとつである「MACアセットマネジメント」は、九九年六月二十八日に「株式会社E」として設立され、本社を何度か移転させたうえで、二○○四年六月十四日に「MACアセットマネジメント」に変更した。 また、もう一つの中核「M&Aコンサルティング」も、オリックスの社員研修施設の管理会社だった「C」を譲り受け、二○○○年一月六日に社名を「E」に変更し、所在地を何度か移したうえで、二○○四年六月十四日にさらに「M&Aコンサルティング」に変更している。
なぜ、こんなことをしなくてはならなかったのか。 全容は解明されていないが、ひとつだけ明らかになっているのは、Mファンドの名を知らしめたデビュー戦、不動産管理会社であるSへの敵対的買収のさいに、こうした目まぐるしい社名と登記の変更が、実は利益を生み出す手法として使われていた疑いが濃厚なことである。

まず、Eが管理する投資事業組合が、Sの株を買い進めておく。 その後で、Cを買い取りEに社名変更して、SにTOB(証券市場を通さずに、条件を提示して公開で株式を買い付けること。
公開買付)を提案する。 そうすれば、Eが管理する投資事業組合は、このTOBに応じることで株を高く売って確実に運用成績を上げることができた。
これは明らかに、MがTOBを仕掛け、同じMが利鞘を稼いでいる構図にほかならない。 つまり、自分の会社がSの株を買うと煽って株価を吊り上げて、その一方で自分の投資事業組合が持っているS株を売って運用成績を上げているのだ。
もちろん最終的には、乗っ取られたくないSが値の吊り上った株式を買い戻して、さらにMのEが利鞘を稼げることを狙っているわけである。 しかし、驚くべきことに証券取引法では、公開買付を行う会社Eがまだ存在していないうちに、対象となる会社の株式を買う行為を「インサイダー取引」と見なすことはできないため、違法とはならなかった。
この手の内を、Mの腹心の一人であるM木強は、雑誌「S事法務」二○○○年九月五日号に「S株式に対する公開買付けー法的な問題点を中心にー」を発表して明かしている。 自分たちはこのように法の網の目を潜り抜けることもできると白昼堂々誇示しているようなものである。
これでは、有名文化人の「取り巻き」にすぎないではないか。 右の本ではMが本場のアクティビストよりも懐柔策や操縦術に秀でていたなどと述べているが、裏を返せば日本の取材記者たちが「記者クラブ」体質をそのまま持ち込んだともいえるだろう。
限られた記者のみを集めて、記者会見ならぬ「スモール・ミーティング」を行うのは、これまでのMの常套手段である。 記者を味方に引き入れることで、世論を味方につける。
米国のAもよくやる手段だが、おそらくMは本場のアクティビストよりも記者の懐柔策や操縦術に秀でていた。 最近のMファンドに関する報道には、逮捕後になっても「死んだ子の歳を数える」かのようなトーンを帯びていたのは、情報源をあまりにMに絞りすぎたからだと述べるものもある。
それだけではない。 「週刊T経済」特別取材班の「トリックスター」(T経済新報社)によれば、Mファンドの報道は、次のような雰囲気のなかで行われていた。

ので、なぜこれで「志のあるファンド」と報道されてきたのか訳がわからない。 持ちかけて梯子をはずすもう少し、Mファンドの行動パターンを追いかけてみよう。
MはLのHより遥かに早く、N放送に目をつけていた。 その時期は、ファンドを立ち上げる以前にまで遡ることができる。
さまざまな公的機関に付属する「記者クラブ」が、報道をゆがめてきたという指摘は多い。 公的機関には報道戦略がある。

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